第5回研究セミナー のご案内 

地域スポーツ活性化のための疫学研究の意義:観察から、分析、そして実証へ

  講師 渡邉 丈眞(中京大学スポーツ科学部スポーツ健康科学科教授)  

【開催趣旨】
 日本ハンドボール学会では、実践活動に関する事例の報告や分析を通して、現場に生きる選手、指導者、レフェリー、トレーナー、アナリストたちの学びに役立つ知を生み出す実践研究を推進しています。今年度の研究セミナーでは、『疫学』に焦点をあて、ハンドボールの研究について新たな視座を加えることを意図しています。
 「医学」の研究分野において一般的とされている『疫学』の手法について理解し考えることで、研究の深まりを促すことを期待しています。『疫学』の観点から、「現象」の記述、「因果関係」の推測、介入による「検証」を行い、新たな知見の創出にチャレンジをしてみませんか。

【開催要項】
1.日時 2020年2月29日(土)10:00から11:30(受付開始9:30)
2.会場 中京大学名古屋キャンパス
     (愛知県名古屋市昭和区八事101-2、地下鉄鶴舞線・名城線八事駅)
3.参加申込
(1)申込締切 2020年2月20日(木)
(2)申込資格 学会員および非学会員
       (ハンドボールに関する研究および実践に携わる者)
(3)申込方法 Googleフォームで受付けます。下記のURLから申込み下さい。
    https://forms.gle/JQTKs6wG4eeQr5FH6 
(4)参加費 ①学会員:1,000円、②非学会員:2,000円。当日お支払い下さい。
4.当日スケジュール
  09:30〜10:00 受付
  10:00〜11:30 セミナー

【内容】
 疫学は、個人ではなくヒト集団を対象とし、疾病の発生原因や予防策、介入効果などを研究する学問として発展してきました。トレーニング・コーチング・コンディショニング等の基礎と論理を提供する基礎的な研究方法として、スポーツ実践現場での多様な分野にその活用を期待できます。
 主な疫学的研究方法に、①記述疫学;現象(だれに、いつ、どこで、何が生じたか)を記述する、②分析疫学;因果関係を推測する、③介入研究;推測された因果関係の検証を行う、3つの方法があります。それらのすべての研究成果がそろって、スポーツ実践現場での行動判断を行う際の科学的根拠を提供すると考えます。
 本セミナーでは、中京大学との事業協力関係にある豊田市(中核市、人口約42万人)市街地に位置する「認定NPO法人朝日丘スポーツクラブ」(地域総合型スポーツクラブ)での観察疫学研究の試みを紹介します。近年の子どもたちの学校以外での生活を「運動・スポーツに関わる動作の有能感が低い子どもたちの外遊び・スポーツの実施状況及び体力・運動能力の特徴」の側面から検討し、現象の記述として、「ボールなどの器具を用いたスポーツ・外遊び体験の不足」を議論したいと考えています。そして、スポーツ実践についての疫学研究成果をその現場から発信し続けることが地域におけるスポーツ振興及び活性化に貢献することを確信していただけるように、本セミナーでの意見交換を期待します。

【問い合わせ】
 セミナー実行委員会(代表:仲田好邦/名桜大学人間健康学部)
 メール:ynakada@meio-u.ac.jp 電話:0980-51-1138